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ゲームの記録とか、稀に読んだものとか用です。

20231216 Temtemがサイコーって話 ~楽しい孵化とあったかMMO、あと世界観とシステムの余談~

修羅場を抜けた私です。今日はTemtemのほんわかした面を紹介できればいいなと思いました。

 

今ここに見えているのは、繁殖センター。いわゆる育て屋さんです。*1

このゲームの育て屋さんは他のプレイヤーが預けているテムテムを見ることが出来ます。微笑ましい……で済めばいいんですが、やべえギャンブルを平気でやっている奴がいるので、ビビります。預けてるメンツだけで廃人だと分かることがあります。詳細は以下。

タマゴ・孵化システムが凄く面白い

とりあえず廃人のことはおいといて楽しげな画面から。(今見ると微笑ましいタマゴ作ってるなぁ……。)

 

このゲームのタマゴシステムはかなり気合いが入っています。まずは個体値*2の遺伝について。

生まれてくるテムテムは親の個体値を引き継ぎますが、40%で両親の高い方の個体値、20%で平均値、40%で両親の低い方の個体値を引き継ぎます。少し孵化してみた感じ、個々の個体値毎に判定しているわけでなく、高めの40%を引くと一発で全部高い方が引き継がれるようです。(間違ってたらごめんなさい。)このため、序盤から高個体値テムテムを作ることは難しい作業ではありません。

孵化しながら挙動が分かったので修正:個体値は1部位毎に40%-20%-40%のどれを引くかの判定が行われます。

 

このゲームの孵化を楽しくしている独特の仕組みが、残り繁殖回数以下Fertility)。

この謎の葉っぱ、なんだと思います?

このゲームでは、テムテムが生涯でタマゴを産める回数が決まっています。葉っぱは残り回数を表します(枝含む)。

Fertilityの初期値は8で、タマゴを産む度に値が1削れます。子供は両親から低い方のFertilityを受け継ぎ-1された状態で産まれるので、どう頑張っても子孫がすぐ絶えます。

しかも、野生産の高個体値は最初からFertilityが少し削れています。優秀な家系ほどすぐ絶えるロックなシステムです。

 

この仕組み結構楽しくて、どこぞのゲームみたいに5Vや6Vのキャラを1体用意すれば無限に子供を増やしていける、みたいなことがありません*3。理想個体を作る度に親が失われる。野生の価値が失われない、素晴らしい仕組みだと思います。

それでいて遺伝の仕組み自体は分かりやすく、初心者でもストーリー攻略に強いキャラを簡単に作れる。このゲームの孵化システム本当に良いです。

また、資金を払うと特定の個体値を確定遺伝出来るので、資金の価値の向上に繋がっています。

 

 

使ったり使わなかったりな子達ですが、ストーリーを攻略するには十二分過ぎる値。これがそこまで粘らなくても作れるのはすごい。

 

ちなみにタマゴわざや特性を粘る仕組みもあります*4

 

さて、このゲームの孵化の面白いところだけ説明してきましたが、地獄なのは色違いです。

このゲームの色違い*5には「Luma個体」と「Umbra個体」の2種類があるのですが、とりあえずLuma個体の話をしましょう。

Luma個体が野生で出現する確率は1/7500で、確率を補正する要素はありますがかなり苦しいです。このゲームの色違いは本当に貴重です。

そしてタマゴを作る時にLuma個体が親の片方にいる場合、子供がLumaになる確率が10倍になります。親の両方がLumaなら、100倍になります。つまり1/75です。

ここで最初の繁殖センターの画像を見てみましょう。

色違い2体預けてるやつがいる・・・・・・・・・・・・・・・・

繁殖センター入るとかなりの確率で色違い2体預けてるやついますよ。怖いですね。

補足すると、野生産のLuma個体は3V以上が確定しています。この時のFertilityの初期値は6。6回しか出来ないギャンブルで1/75を引こうっていう頭のおかしい人がたくさんプレイしています。良いゲームですね。いや、でもこれは皮肉じゃなくて、そこまでやってる人がいるっていうのは本当に良いゲームってことですよ。

 

他のプレイヤーが見えるのが楽しい

繁殖センターで他のプレイヤーのテムテムが見えるのは紹介しましたが、繁殖センターだけが唯一の交流手段ではありません。

これは御三家*6を受け取った直後のシーンです。

このゲームは形式上MMOなので、他のプレイヤーが自動でマップに表示されます。

私以外のゲーム開始直後のプレイヤーが御三家を連れてはしゃいでいます。ちょっと感動的だったので撮りました。

 

デニーツ名物、初心者がエレガを粘る坂です。4個目の大陸から帰ってきた時に懐かしいなぁと思いながら撮りました。私もここで今使ってるガズマを粘っていました。
50%セールが終わってから結構経ってましたが、まだ人はいっぱいいました。セール中かセール後に始めた方が楽しいかもしれません。50%はちょっと流石に特別なセールだったっぽい?ので、30%か40%なら買っちゃっていいと思う。

 

ここはオセアーラというレアなキャラが出現する限定スポットです。オセアーラは5%の確率でしか出現しないので凄くたくさん人がいます。良いですねこういうの。

 

ここで何の前触れもなくこのゲームの本気モードのNPCのAIの外道さを紹介したら面白そうだと思ったのですが流石にやめました。今日はほんわかいこうね。

 

余談:IPや世界観とゲームシステムの面白さの関係はむずかしい

私はTemtemに、Pokémonというゲームの未来への可能性を少し見ています。とはいえPokémonはあまり有名なゲームではないので話の分かる人はいないかもしれませんが、まあ聞いてください。

私はPokémonの孵化も大好きです。意味もなく性格特性一致理想5V個体を量産するのは趣味です。ですがPokémonというゲームが孕む欠点として、「一度完璧な親個体を作ると、同じ種族orタマゴグループの新たな個体は以降永久に価値を失う」という点があります。

新作が出る度にマックスレイドやテラレイドで色んなタマゴグループの高Vをかき集めるのはとても楽しいことです。でも、一旦揃ってしまうと、捕まえる意義はもう失われてしまう。

私はPokémonはIPとしての側面を重視したゲームだと考えているので、孵化厳選がそのくらいのゆるい難易度で奥行きが無いのは間違いではないと思っています。対戦をやらない子供でも「なんか頑張ったら5Vとかいうのができた! これすごいんでしょ? やった!」って喜べれば、それでいいんです。

子供じゃなくてもほとんどのプレイヤーは殿堂入りまでしか遊びません。それ以上やるとしても、色違いを粘るのがだいたいのエンドコンテンツでしょう。対戦をエンドコンテンツとしているのは発売直後でも120万人程度。その後60万人まで急落して、最終的に安定して残るのは30万人くらいという人口推移をSVは辿っています(前作もほぼ同じ)。世界で2000万本売れたソフトなのに、プレイヤーの9割近くは対戦をやらない。だから孵化だって誰でも出来るくらい簡単じゃないといけない。

ですが、孵化システムについては簡単さでも面白さでも明らかにTemtemに軍配が上がると思っています。Pokémonの孵化システムより簡単だし、これなら子供でも分かる。野生の新しい親個体がずっと価値を失わないからゲームがずっと楽しくなるし、孵化作業で良いステータスのキャラが出来た時の感動も大きくなる。これだけは明らかにありとあらゆる面でTemtemが優れています。それがもし何のゲーム外の制約も受けずに可能ならば。

 

Pokémonが同じシステムを採用することは悲しいことにできません。

Fertilityが絶対に採用できません。

Pokémonの世界観では親個体を使い捨てにすることが許されないからです。

 

Pokémonは、「ポケモンとの絆」をテーマの一つにドッシリ据えたIPです。アニポケで個体値厳選したら怒られるし、ゲームのストーリーもずっとポケモンとの絆が語られる。プレイヤーの腕前や技量ではなく、絆こそが強さを作るのだという建前がある。

そんなIPで、親個体を次から次に使い捨てにするのが前提になるFertilityというステータスは絶対に許されないでしょう。

もっとも、Pokémonでも孵化厳選で理想個体じゃない子は大量に不法投棄されています。更新された親も不法投棄です。歴代の育て屋の道路は全て環境汚染されています。でもこれがPokémonというIPの中で許されるのは、そもそも厳選を始めた時点で「そのプレイヤーがもうPokémonをそういうIPとして見ていない」からです。厳選をするということはポケモン対戦勢になるということ、エンドコンテンツに足を踏み入れるということ、ゲーマーになり生温い世界から足を洗うということだからです。「覚悟している人」になった人間にしか直接見えない場所で起こっている限り、何があろうとポケモンというIPに関係はないのです。

Pokémonのジャッジ機能が殿堂入り後にしか解放されないのは、「覚悟している人」でない人間に個体値などという野蛮な存在を強く意識させてはいけないからです。ほとんどのユーザーには殿堂入りしたらそこでサヨナラしてほしいわけです。「種族値とか個体値とか努力値とか、なんか難しくてよくわかんないなあ」というぼんやりした感覚のままポケモンというIPを見ていてほしいわけです。

(この点、最近のゲーフリは少し対戦への参入障壁を下げすぎている感じがあるので少し不安です。孵化厳選や殺伐としたプレイ感がゲーム本編や一般人の価値観に食い込むようになったらまずいぞ、と思っている。あるいは意図的にやってるんかな、さいきょうレイドあたりは明らかに舵切ってるし……と思いながら見ている。)

逆に、Temtemは世界観を重視したIPではないので、ゲームシステムが世界観からの制約を受けない。それによってPokémonより確実に面白い孵化システムを作るのに成功している。逆にPokémonは、Temtemの孵化システム(に限らず孵化システムの大幅な変更)を実装すれば、確実に今より面白いシステムになるのはとっくの昔から分かっているはず。だいたい、第九世代まで来て、孵化システムを見直そうって話が過去に一回も出なかったなんてことはありえないでしょう。表に出てこないだけで没になった案が社内にはもう山ほどあるはずです。でも、いくら議論を尽くしても変更出来ない。Pokémonという世界観がそれを許さない。

 

ゲームっていうのは、なんていうか、色々と難しいよなぁ、って思った話です。

 

 

 

 

*1:Temtemに極めて類似したPokémonなる謎のゲームでは、育て屋さんという施設が同じような機能を持っているため、通じるかは分からないが、やったことがある人に伝わればいいと思って専門用語を記述している。

*2:Temtemに極めて類似したPokémonなる謎のゲームでは、個体値という俗称の数値がSingle Valuesと同じような機能を持つため、通じるかは分からないが、やったことがある人に伝わればいいと思って専門用語を記述している。

*3:Temtemに極めて類似したPokémonなる謎のゲームでは、個体値が最大値の31であることを正の整数を0, 1, 2, ... 9, A, B, C, ...と表記した時の31である「V」で表現するのが慣例なので、通じるかは分からないが、やったことがある人に伝わればいいと思って専門用語を記述している。

*4:Temtemに極めて類似したPokémonなる謎のゲームでは、親から通常覚えられない技を遺伝する仕組みがタマゴわざと呼ばれているため、通じるかは分からないが、やったことがある人に伝わればいいと思って専門用語を記述している。

*5:Temtemに極めて類似したPokémonなる謎のゲームでは、通常と見た目の異なる貴重な個体が「色違い」と呼ばれているため、通じるかは分からないが、やったことがある人に伝わればいいと思って専門用語を記述している。

*6:Temtemに極めて類似したPokémonなる謎のゲームでは、最初に配布される3匹のモンスターが御三家と呼ばれているため、通じるかは分からないが、やったことがある人に伝わればいいと思って専門用語を記述している。