ブログを作っては消すのやめろ

ゲームの記録とか、稀に読んだものとか用です。

20221218 私は変われない。(結城友奈は勇者である2期)

最高でした。

 

最高だったんです。

 

最高の、最高の、最高の時間でした。

 

だめだ。

 

だめだこれ。

 

TLのオタクが大学生の頃にけもフレごちうさ1話をBGMに延々流していたように、私はこのアニメをひたすら周回していたい。

 

以下私のうつ病と昔の話とurbtの話。雑多。

まずはうつ病と好きなアニメの話。

このアニメの1期が放映されたのは2014年、らしい。もう8年も前のことになる。時間は怖い。

1期の内容はそこまで覚えていないけれど、未だに人生に残る爪痕をつけてしまうくらいに大好きな内容だったのはハッキリ覚えている。特に、犬吠埼樹の録音を犬吠埼風が再生してしまった時のことだけは、ハッキリと。一体何をどうやったらあそこまでの地獄が作れるのだろう。

そもそも基本的な設定自体が、もう、本当にキツかった。好きだった。そして見ていて最高の気分だった。何が良いって、設定を開示しながら視聴者を掌で転がすような心理的動線の作りがやばすぎる。最初は「うわーーー遂に必殺技だーーー!」って何も考えずに見ていたのに、例の話を知ってしまった瞬間から満開ゲージが1溜まる度に「ヒッッッッ」って本気で心臓がヒュッと落ちるような本能的恐怖を感じるようになってしまう。そんなゆゆゆ1期が私は本当に好きだった。

それからノベライズやらコミカライズやらがあって、2017年10月に2期が放映された。今の私なら涎を垂らしながら毎週のように見れるのだと思う。だけどその頃、私の頭はとっくにズタズタになっていた。

ゆゆゆ2期に限った話ではなく、たくさんの見たいもの触れたいものが私の横を淡々と通り過ぎていった。私なんて存在しないかのように無情に世界は動き続けて、私の方も世界に手を伸ばそうとする気力すら失っていた。

コミカライズが読みたかった。ノベライズが読みたかった。2期が見たかった。それを、楽しみだと思いたかった。楽しみだと思うことすら私にはできなかった。それなのに私は続きを見たいはずだ見たいはずだと心に嘘をつきながら長い歳月が経ち、ゆゆゆ2期はいつしか存在自体が私にとっての大きな呪いの1つになってしまった。そして放映から5年2ヶ月が経った今日、私は自分の心に嘘をつかなくても見たいと思えるようになり、ちゃんと12話見終わって、私は呪いに1個勝った。

死ぬほど最高だったし、3期もあるみたい。アニメを見たらコミカライズは買おう。そう思ってる。だからもう、それだけで良い。私の目にはもう光が戻っている。それだけで、良いんだ。

 

で、8年くらい経って2022年にもなってようやく2期を見て、私は否応なしに1期を見た大昔のことを思い出した。

悲しくなるくらいに感性が当時から全く変わっていない。

もっと遡るならタオルケットをもう一度2の最終盤を無限に再走し続けていたあの頃から全く変わっちゃいない。

変わらない。本当に何も変わらないんだよ。この8年、数えきれないくらいたくさんのことがあったっていうのに、何も。

「こういうもの」が好きだったのはとても幼い頃からだ。人生ハードモードだったのは、私の嗜好を増幅したかもしれないが。

多分生まれつきなんだろう。どうしようもないんだろう。私は自分の感性に対して諦めと慈愛のようなものを抱いて生きている。

鬱以外のジャンルに嗜好が開けていくことはこれからいくらでもあるだろうし、実際今までもたくさんあったけど、好きなジャンルの核みたいなところから鬱が抜けることは多分一生ないんだろう。

(明記しておくと、私がジャンルに対して使う「鬱」は「うつ病」とは明白に違う。)

 

思い出話も終わってゆゆゆとurbtくんとまどマギ沙耶の唄の話。

 

一気にテンション変わるけどあのさぁ・・・・・・・・・・・・。

これはtwitterでもさんざ話したんだけど・・・・・・・・ほんとさぁ・・・・・・・・・。

私は好きな作品を語る時に他の作品を引き合いに出したくないんだよ。「この作品は〇〇って作品のフォロワーではあるけどただのオマージュに終始してなくてちゃんとオリジナリティあってイイね!」みたいなことはゲームの感想で結構言うけど、それはオマージュ元とオマージュ作品の両方に私が十分にリスペクトを払っているときにだけ心置きなく出来る行為であって、少しでもどちらかのsageになるようなら私は他の作品の名前出したくないんだよ。

だけどゆゆゆはさぁ、そもそもがまどマギをぶん殴るために作ってるよね、これ。あんまりにも隠す気がなさすぎる。まどマギ見たことないなら仕方ないけど、見たことあるならこれでまどマギに言及しないのは嘘で不誠実で欺瞞だと思います。だからこれについてはちゃんと言及します。

別にソムリエめいてヌードル亭麺吉とか以上レポっすみたいなことやりたいわけじゃなくて、普通にまどマギって鬱作品でもなんでもないんですよね。あの作品は本当にただ人が死ぬだけ。魔法少女が魔女になる設定とかも別に絶望感は無い。

設定が絶望的なのと絶望感があるのは違う。「人間はみんな死ぬ」というのは絶望的な事実だが、それだけで絶望感を与えるものではない。まどマギには絶望的な設定はあっても絶望感が絶望的に足りてない。観客に絶望を見せようとしていない。だからアレは鬱アニメではない。第二次世界大戦の死者数だけを無機質に見てもそれが鬱たりえないのと同じくらいに。

脚本がurbtだから「どうせ鬱なんだろ」とハードルを上げて見てしまったのは、多分ある。だけど叛逆を見た限り、どう考えてもアニメ本編は絶望感のある展開をやれてない。urbtが鬱を書けなくなったわけじゃなくて、物凄い金や看板がかかった商業作品だから鬱をやれなかったんだろう。本領を出せないのは仕方ない。沙耶の唄を地上波でやったところで観客はつかない。本気は叛逆でコアなファンにだけちょろっと見せておけばいい、それでも本当の本気は出せない。それでも仕方ないよね、だって商業なんだから。

そんな風に誰もが思っていたところに真正面から勇者パンチをぶっかましたのが『結城友奈は勇者である』だと思っている。

沙耶の唄もビックリのコテコテの鬱展開。容赦なく視聴者に叩きつけられる絶望。何の身構えもしないでリアタイしていた視聴者はみんな瀕死。

あーあー、こいつら商業で好き放題やっちまったよ、やりたいだけやって爆死するタイプのアニメだなこれ、まどマギとも散々比較されるだろうし、……そう誰もが思っていたらあれよあれよと言う間にノベライズとコミカライズが大盛況、そのままアニメ2期の一部が異例の事前映画化、そして遂にアニメが2期どころか3期。もう商業的に大成功。大丈夫です。鬱、全然普通に売れます。

1期の時点でまどマギをビビるくらい真正面から殴りつけた作品だったんだけど、2期がまどマギどころかurbtをマジで殴りに行ってるので本気で驚いてる。

たしかに1期を見た時点で「まどマギ如きで鬱だのなんだの騒いでんじゃねえ、これを見て臓物からゲロぶちまけておっ死にやがれオラッ」みたいな気概は感じてた。でもそこに思ったのはあくまで「まどマギ」に対するカウンターであって、urbtに対する殴りではなかった。

2期は明らかにurbtを殴りに行っている。最後の展開は誰がどう見てもそう。

流石にネタバレが過ぎるので文字色を背景色にするが、

2期の最終盤は完全にラヴクラフト系列の作品を意識して作られている。そもそも最初にから出てくる火の神空間のアレ、天空に雲が渦巻く雲が大きな目のように見えるやつ、あの描写はもう典型的なラヴクラフトのそれである。雲が渦巻いて神の目になるのは描写を聞くたびにこれで何回目やろなぁと思うくらい使い古され尽くしたラヴクラフト系列作品の紋切り型である。

そして言うまでも無く、urbtgnの代表作である沙耶の唄は、CoCが日本で流行る前に作られたとは思えないほどの忠実なラヴクラフト系列作品だ。ゆゆゆ2期が、それに対する皮肉でなくてなんなのか。

(火の神か陽の神か分からんのだけど、以下火の神で統一)

まぁ一個の描写がラブクラフト系列っぽく見えるだけならたまたまだろうと言えなくも無いのだけど、最後の方に降りてくるアレ、どう誤魔化そうとしても日本神話のナンカじゃなくて完全にクトゥグアだあれ。いやどこからどう見てもクトゥグアです本当にありがとうございました。旧支配者のキャロルが聞こえる。全体的にコーラスの入った曲が多いの完全にわざとだろ。

何より決定的なこととして、別に物語を終えるだけなら火の神ぶっ倒して終わりで良い。火の神はぶっ倒しましたけど四国の外は全部元焼け野原でした、がんばろうね、で良い。なんだあの謎の地球復活は。要らんだろ。全く要らんだろ。なんであのエンディングになるって、理由がもしあるとしたら地球が復活するのはそれが沙耶の唄のエンディングの真逆の展開だからだ。沙耶の唄の正規エンドでは地球が神話生物に吞み込まれて木も自然も緑も金属も有機物も無機物もクソも無くなって全てがグチャグチャの褐色の肉塊に侵食されて終わる。ゆゆゆ2期の最後で救われる規模、緑に包まれる規模を四国だけじゃなくて地球全体にしたのは本当に沙耶の唄への皮肉としか思えない。廃墟に緑が萌える様子は、信号機やビルを神話生物が呑み込んでいるCGを真逆にしたように私の眼には映る。

少しだけ捕捉すると、ヤバい神性・神格(今回はクトゥグア)に対して他の冒涜的存在を降ろすことで対抗しようとする狂信者集団がいるのも結構最近のラヴクラフト系列に「ありがち」な展開だ。大赦の人達が一人一人フッと消えていって植物に変わっていくのは描写としてマジでグロい。グロいけと悲しいくらいにラヴクラフト系列で忠実。ヤバい存在を降ろしてしまったらああいう事になるのだ。あとクトゥグアが地球を軽々と焼き尽くせるくらい強いのも、明らかに地球全部吹っ飛びそうな威力のビームかましてくるのも実にラヴクラフト系列的。ここまで意味もなくラヴクラフト風味にしたのは、やっぱ沙耶の唄に対するリスペクトと失望みたいなものがあるんだろうと思う。

だからまぁこれは絶対絶対絶対絶対urbtを殴ってるんだろうな、と思う。お前もはよデカいプロジェクトとか関係なく本気出せや、って。

FGOのシナリオがどれくらい良いのかはFGOやってないから分からん、でもurbtは少なくとも地上波で本気を出さなかった。ゆゆゆは本気を出した。そしてゆゆゆは作品の内容を考えたらありえないくらい売れた。

そういうわけでurbt先生、地上波か映画での本気のパンチお待ちしています。生まれつきの鬱作品の狂信者であり、沙耶の唄の心からのファンとして。