ブログを作っては消すのやめろ

ゲームの記録とか、稀に読んだものとか用です。

20200717 メメント

私です。7月前半何をしていたのかまるで思い出せません。

進捗しました。あと進捗をしました。

最近睡眠状態が著しく悪いです。2回起きたのを覚えています。ちゃんと寝直したので偉いと思います。

今日はどうも事実の羅列しか書けないみたいです。疲れていますね。見た映画の内容とは関係ないし、映画はそういう話ではありません。

無茶苦茶に進捗して、映画を見ました。以下ネタバレ感想。

 

 

 

何が原因だか忘れたが(どうも主人公みたいだな)、とりあえず映画を見ようと思った。

凄い前から気になっていた作品だった。インセプションと同じ監督だという事で見た。クリストファー・ノーラン、マジでこういうタイプ(伝わる)の話が好きだな。個人的にインセプションより面白かった。

 

最初の数シーンでもう完全に度肝を抜かれる。こんな複雑で新規性の有る発想が2000年に公開の映画?冗談だろう……、なんて思うのは私に知識が無いだけで、本当はこういう実験的な作品に繋がる流れはいくらでもあったのだろう……。20年前にこれがあるんなら、この映画の20年前にだってもっと脳天をぶち抜くような作品があったはずだ。

グレッグ・イーガンだけがああいう作品を唯一書けるように、クリストファー・ノーランイカれているだけなのかもしれないが、それは私には分からないことだ。)

私がこの映画について知っていた前情報としては「時間が過去に戻っていく作品」というのだけがあった。私はてっきり誰かの記憶が逆再生で120分流れるサイレント映画のようなものを想像していたけど(そして最初のシーンの、ああもう私には時代が古いので名前が思い出せない、あの写真をペラペラとやると現像が早くなるやつだ、アレを見て「このシーンは逆再生である」という事を表現するのにこんな手法があるだろうかと感動した)、最初の数シーンでとりあえず完全に度肝を抜かれる。記憶の巻き戻し方が想像してたのと全然違った。こんな方法アリかよ。映画に呑み込まれて気がついたら一瞬であるシーンに到達して、そして映画は終わった。

あるシーン。あの写真を現像した瞬間、世界が灰色からフルカラーになって直前のシーンに接続されることを告げる、文字通り「鮮やかな」シーン。マジでイカれてる。

 

 

脱帽。

 

 

以下これは私が単に面白いと思ったことで映画の筋とかとは全然関係ないし、でも感想ってそういうので良いのかもしれない、

事件直前の過去は詳しくは語られないが、主人公は恐らくわりあい長い間、大量の人間に利用されている。ギャメル(テディ)にハメられて殺したジミーとすら面識が合った。ナタリーとだって、トッドとだって。でも全員に共通するのは、誰もがレナードを利用していることで、そしてその方法にある。

レナードは長い時間をかけて自分の記憶を改竄していて、自分の身の上話をサミーのものにしてしまったし、強盗に入られた時にはまだ妻が生きていたことも怪我で忘れてしまったし、その後に自らの手で妻をインスリンの過剰投与で殺してしまった(というか、妻が自殺に近い行為をした)事もサミーの話にしてしまった。彼の記憶は無茶苦茶だ。

それでも、彼の短期間の理性だけは完全に正常に動作している。

全ての人物はそれを利用する。

「彼の記憶がリセットされて身の回りにあるものを見て推理するであろう状況がそれを仕掛けた人間に都合が良くなるように」環境を作り上げて、彼の未来の行動を操作しようとする。例えばナタリーはレナードに殴られた傷を少し後のレナードに見せてトッドに殴られたと言い張ったり、寝た後でナタリーの写真に彼女は協力的だとメモを残すことを計算したり。あるいはジミーは殺されたし、トッドは殺されかけ、そしてギャメルの援助で解放され、ギャメルは何人目かも分からない『ジョン・G』として銃殺されることになった──願わくば最後のジョン・Gとして。

(ところで周りの人物だけ見たらナタリーの一人勝ちかと思うけどそうでもない。夫はギャメルにハメられて殺されて、しかも目の前のレナードが殺したと分からなかったのだから──ギャメルを殺すよう仕向けるのには部分的に成功したかもしれないが。)

だが登場人物の中で、「レナードの短期間の理性だけは完全に正常に動作する」「理性を用いてレナードが推理を完成させた時に、自分にとって都合が良くなるように仕立て上げる」ことに最も成功したのは誰だろう?──それはレナード本人だ。レナードはレナード自身にギャメルを『ジョン・G』だと思い込ませる状況を作るのに成功したのだから……。レナード自信がレナードを利用することに一番長けていたのだ。それはサミーの捏造されたエピソードやレナード自身が繰り返す言葉を考えれば当たり前だ。自分がどう推理するだろうかなんて、「体感上の記憶で」本人が一番よく知っているのだから。……そう思い込んでいるだけかもしれないが。

 

映画の構造以外ではそれが面白いと思った。映画自体は最初の数シーンで脳天ぶち抜かれて、気がついたら終わってた。そんな感じ。

 

良い映画だった。もっと映画が見れますように。