ブログを作っては消すのやめろ

ゲームの記録とか、稀に読んだものとか用です。

20160204 ヨォドォバァシィカァメェラ 亲爱的顾客朋友、你们好。衷心欢迎您光临友都八喜。友都­八喜是日本著名的大型购物中心

なぜだか分からないんだけど編集画面の機能が色々動いてくれない。

 

 

 薬が変わって約1週間、効き目が良くも悪くも落ち着いてきた感じがある。少なくとも、脳内麻薬の放出が文字通り一秒も途切れず覚醒剤か何かを打たれた気分になるのはとっくに収まった(あれは本当にやばかった)。

 

とにかく何があっても気分が落ち込まない。精神がズタズタになっても辛さを感じない。これは本当に不思議な感じ。どう人に伝えたものだろう、と思っていたら、読んでいた虐殺器官にちょうど同じようなシーンがあったのでば。

 

痛かった。痛いことがわかった。

なのに、痛さは、感じなかった。

 

 

痛覚マスキング。これが本当に、SSRIを飲み始めてからの私の感覚に近い。

 

だいたいそんな感じ。

 

ただ、単に辛さを感じなくなっているだけで、ダメ人間なのはやはり治らないので(薬が効きすぎていた時はそれも治っていたのだけど、悲しいことにやはり持続してはくれなかった)、薬で頭がまともに働く内に、ダメ人間なのを改善しないといけない。

 

面白かった。それ以上に、久々に本を読む楽しみと幸せを思い出せた。その幸せが今は強い。

ギミックについては全体的にまあうーんだけど、それは別に深く考えることじゃないと思う。それよりも、後半の展開がちょっと急で心の動きがよく掴めないことの方が読んでる間気になってた。

 

  • 追記

ギミックについて書くのは色んな都合で気が進まなかったんだけどやっぱり書いておくことにした。ただ、全部原文を引用したりする体力が今の私にはないので、とっても大雑把。凄く不誠実になるのはご容赦。

 

サピア・ウォーフを否定して見せたり、思考が言語に先行しているみたいなことを語るシーンがあって、個人的に「おおっ」ってなったんだけど、でも最後まで読んでみると虐殺の文法ってむしろサピア・ウォーフ的なサムシングじゃないんけ?ってなる。作品の立ち位置がハッキリしない。言語学以外のディティールが凄く深い分、この辺の立ち位置から最初からガバガバなのがどうしても目立ってしまう。

もちろん、虐殺の文法は単純なサピア・ウォーフ的な「言語が世界の見え方に影響を与える」的な装置ではなくって、「言語の文法が一定のパターンになると脳のモジュールの良心に関わる部分がカパッと外れて虐殺がグワー(そしてそれは人口の抑制云々)」であって、世界の見え方や理性に影響を与えるのでなく感情に作用してるだけで所謂サピア・ウォーフでは無いのだ、とはギリギリ言えるかもしれない(言えるだろうか……?この手のSFで感情と理性を区別する意味があるだろうか……?正直同じに見える、まあでも、とにかく言い逃れしたとしてだ)、それはまあそうかもしれないけど、やっぱり思考が言語に先行しているのだと語られていた世界観と根本的に整合しない(もちろん事実にも整合しない。する必要はないけど、事実っぽく見えないのはこの手の小説が望まないことだと思う)。そして何より致命的なのは、「別にそのアイデアは言語でやる必要が無い」。

社会的なミームに埋め込まれた、表面的にはそれと分からない特定のパターンが、サブリミナル効果みたいに人間の脳に作用して、暴走させてグワーみたいな、それなら別に文法でやる必要は無かったと思う。別に単なる社会的なミームで良かった。実際小説の中にも社会的ミーム以上のギミックは出てこなかったように感じる。私は実際虐殺の文法は虐殺ミーム的な何かだと勝手に脳内変換(また古い言い方だ)して読んでいたし、それで十分楽しめた。

あと深層ナントカとかは××学の雰囲気を知らないと何についてもまあこうなると思うのでノーコメント。アレは理念的にも時代的にも徹頭徹尾ただの記述的装置であって(有意味に出来れば越したことは無いが無意味で別に構わない)、進化心理学とか認知心理学とかで仮定される脳のモジュールみたいな実在のある何かだと思ってしまうとハマる。勿論、上手く行かなくなるまでの間は、そういう仕組みが近似的には脳の中に実在しているはずだと信じてみんな仕事をするわけですが、それにしてもやっぱり記述出来るのが大前提で、こういう小説のギミックとして使えるような有意味なものではあまりないんです。別に深層ナントカに限った話じゃなくて××学の専門的概念はだいたい全部そうなので、(たとえ近似的にでも)実在物だと思うと痛い目を見ます。かじろうとすると失敗するところ。伊藤計劃は実際にハマってしまった。ヨォドォバァシィ。

まあそういう方法論だったのもかなり昔の話ですが。

だいたいそんな感じ。でも面白かったです。