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ゲームの記録とか、稀に読んだものとか用です。

20210404 モンスターハンターワールド シルバー人材と中抜き派遣事業の闇

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こんにちは私です。画像はこのゲームにおいて恐らく最もヤバいシルバー人材です。簡潔にまとめると、こいつのせいで大陸が火の海になりかけます。何百人の人間が死にかけます。しかも別に何か悪いことをするのではなく、「何もしないこと」によってそれを成し遂げるのですから本当にすげーやつです。

 

 

モンハンライズが発売したのでモンハンワールドをやっています。理解に苦しむ言葉を書いたのは自覚していますがそういうことです。積みゲーマーと逆張りオタクの業は深いのです。

さてこのモンハンワールド、思った以上にストーリーがクソヤバいので軽くまとめてみることにしました。

 

 

本当はこの3年あったこととか書かないといけないんですけど脳が死んでるので現実逃避しています。

 

 

まずストーリーの導入を話しましょう。

舞台は船の中から始まります。

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プレイヤーの乗っている船の目的、つまりこのゲームの目的は、「新大陸」への「古竜渡り」現象とやらの謎を解明することだと告げられます。スクショの通り、調査が始まってから約40年が経っています。船に乗っている派遣部隊は第5期団です。一大事業ですね。

  

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ところがこの船、盛大に難破します。タイタニックもビックリな難破の仕方をしていますが、別に山に突っ込んだわけではありません。古竜が船を下から突き上げたのです。山に見えるのは古龍の身体のほんの一部です。古竜のサイズはその辺の山より遥かに大きいのです。

こんなデカブツが10年に1度くらい現れては新大陸に向かって移動していくけど理由がよく分からないので、その謎を解明しようや、ということになったのです。

 

ちなみに船は難破しましたが全員漂着して無事でした。よかったね。

 

無事に新大陸に着きますと、「総司令」と呼ばれる大戦犯シルバー人材のお爺ちゃんが出迎えてくれます。

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サムネにも貼りましたがこの人です。

いかにも筋骨隆々でして、野生の畜生どもを屠殺しては皮を剥ぎ肉を採りな感じのリアル第一次産業に従事している我々の世界におきましては、極めて頼り甲斐のある存在に見えます。最初は。

 

総司令さんが新大陸の調査をしてくれと言います。手がかりとかは特になんもありません。40年もかけて何も分かっていないのです。仕方のないことです。最初はみんなそう思います。シルバー人材の恐ろしさを知らないからです。ただ、彼の恐ろしさについては一旦後に回しましょう。

 

ゲームが超進みまして、第二のシルバー人材が現れます。

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お婆ちゃんです。1期団の方です。40年も前からこの大陸にいることになります。バリバリに腕が立ちますし、第一次産業でしかも屠殺業なんかやってる我々的にはとても頼もしそうに見えます。

だけどやっぱりこのお婆ちゃん、割とヤバい人です。「瘴気の谷」というマップでお世話になるのですが、「この場所はどんな場所だと感じる?」と事あるごとに問いかけてきます。何回も何回も聞いてきます。何回も何回も何回も何回も聞いてきます。認知症なのかもしれません。

実際このお婆ちゃんは、どこかの探索拠点に身を置いたりはしていません。かなりサバイバルな生活を送っております。言い換えれば重度の徘徊行動が見られ、やはり認知症の疑いが強いです。

 

ストーリーが進むと、この「瘴気の谷」という場所はどうやらモンスター達の墓場であることが分かってきます。死期を悟ったモンスター達がこの場所に向かい、そして大地へと還る、こうして生態系が回る、なんてグレタさんが好きそうな話を主人公の相棒NPCがお婆ちゃんに話します。

そうするとお婆ちゃんは嬉しそうに頷きます。いくら認知症の疑いがあるとはいえ、40年近くこの場所を観察し続けている人が同意するのですから正しい可能性は高いでしょう。正しいことが明らかな回答を持っているならそれを人に聞かないでください。認知症とかそういう以前の問題かもしれません。

そして主人公の相方は推論を続けます。古龍渡り」とは、死期を悟った古龍が死に場所を求めて「瘴気の谷」へ移動する現象ではないか?と。

やっぱりお婆ちゃんは頷きます。どうやら本当みたいです。古龍渡りの謎、解けちゃいました。

ちょっと待ってください、だとしたらこの40年は一体なんだったのですか。

到着したばかりでぺーぺーの現場叩き上げ新人が数週間で分かるようなことですから、当然このお婆ちゃんも若い頃に知っていたはずです。なのにこのシルバー人材は40年も報告しなかったわけです。報連相をしない事がいかに破滅的な結果を引き起こすかよく分かりますね。

「私はここでもう少し生命の循環を見ていくよ」とかまたもやグレタさんが好きそうなセリフを残してお婆ちゃんはどこかへと消えて二度と姿を現さないのですが、これ以上徘徊老人に付き合う義理はありません。重大な情報を得た私達は適切に報連相するべく拠点へと帰ります。

 

すると総司令様は頷きながらこう言うのです。

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「やはり我々の推測通りだったか・・・」

 

初めから言ってください。報連相がろくに出来ないのは認知症の疑いがあるお婆ちゃんだけではありませんでした。ちなみにこの情報、なんと3期団の方すら知りません。3期団の皆様は20年近くも意味のない業務に従事していたことになります。

総司令の一言を以てストーリーは急転します。なんとこの現場、一番トップに立っている人が業務内容をよく理解していないのです。少しでも理解していたらこの情報を現場に周知徹底しない事はありえません。

「シルバー人材」と言えば聞こえはいいですが、なあなあで仕事のフリをやっていたら間違って重役に就いちゃって何をすればいいのか分からずあたふたしているだけの老人がいかに組織に壊滅的なダメージを及ぼすかが非常によく分かるでしょう。

しかもこの情報、お婆ちゃんが報連相するまでもなく相当前から分かっていたようですので、古龍渡りの謎、とっくの昔に現地で解明されてました。5期団、そもそも来る必要ありませんでした。プレイヤー達が派遣された意味とは一体なんなのでしょう……。

 

状況を総合的に考えると、恐らく総司令様は本土の人材派遣会社やら船舶会社やらと裏で繋がっており、新大陸での事業をわざと遅延させることで裏金をもらったりとかしているのでしょう。それ以外にこのストーリーに合理的な解釈を与えることは出来ません。

 

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もう1回貼りますが、これが我々5期団の経験した難破です。人死にがいくら出ていてもおかしくありません。このような事故が起こって尚、見てみぬフリして情報を一切流さず無駄な業務をまだまだ続けさせる魂胆だったのです。こいつマジで血も涙もねえとしか言いようがありません。

 

ところがちょっと派遣業者的にも困ったことが起こります。

今回の古龍であるゾラ・マグダラオスとかいう1度に舌を5回噛みそうな名前をしているやつ、本来の墓場である「瘴気の谷」に向かいません。

ゾラ・マグダラオスは溶岩と熱の塊であり、まさに生ける活火山です。そんなものが適切に死の眠りに就かずに大爆発を起こそうとしているのです。我々が立っている新大陸なんて軽く吹き飛びます。控えめに見て火の海です。みんな死にます。

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どうにかしてゾラ・マグダラオスを海に逃がしてエネルギーを放出させよう、という話になり、ゾラ・マグダラオス第二次撃退作戦が組まれます。ところがこの作戦、必要な物資が一欠片も残っておりません。

え、第一次撃退作戦はいつやったのかって?なんで物資がないのかって?

 

 

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全ては総司令様のご意向です。

 

話の尺の都合上カットしたのですが、実は我々5期団が到着してからのゲーム中でゾラ・マグダラオス捕縛作戦のクエストが1回あります。そこで我々は物資という物資を完全に使い切ってしまいました。

これは負け確定イベントであり、プレイヤーは侵攻するゾラ・マグダラオスを止める事が出来ません。ここまで読んだ皆様ならお分かりでしょうが、理由は簡単です。この作戦が失敗してくれないと総司令と派遣業者が困るからです。古龍渡りの謎が解明されたらこの新大陸事業というバブルは終わりですから、おいそれと捕縛させていいわけがありません。

ところがまあ今回ばかりはちょっと都合が違いますので、ゾラ・マグダラオスを本気で止めることになります。でも物資がありません。と思っていると最高に都合の良いタイミングで物資が到着します。何故か対ゾラ・マグダラオス用の砲弾まで一式揃っています。船舶業者や武器商人や貿易商との癒着があるとしか考えられません。

 

さてさて数々の社会の闇を乗り越えてようやくゾラ・マグダラオスを本気で殴ることになるのですが、見誤ったな派遣会社、真のシルバー人材の恐ろしさを我々が見せてやる。

 

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ゾラ・マグダラオスの大きさってこんな感じです。分かりづらいですが、奥に見えている壁のようなものは全て体の一部です。画面に収まっているのはだいたい全長の1/4程度でしょうか。

 

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青く塗った部分が身体の一部になります。尻尾と後ろ足がかろうじて見えてるので、それでなんかこううまいこと把握してください。

まあやべえです。マジでデカいです。普通の武器とか効きません。なので基本的には大砲で殴ることになります。幸い物資もありますし人手も足りてますので、みんなが大砲に弾を込めて援護してくれます。

 

 

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大砲に弾を込めて援護してくれます。

 

 

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大砲に弾を込めて援護してくれます。

大砲に弾を込めてくれます。込めるだけです。発射してくれません。発射する気ゼロです。それどころか、限界まで込めるとさも一仕事終えたぞという感じで「おーいこっちだー!準備出来たぞー!」的な合図っぽく手を振ってきます。この人達は弾を込めるだけで発射しません。

ですがそれも致し方のないことです。理由を考えれば簡単に分かることです。単純にこの人達には大砲に弾を込める権限しか与えられていないのです。弾込め係と発射係が別に必要なわけです。どんだけ縦割りなんだ。

でも事態は緊急ですし、これが失敗したらみんな死んじゃうよ、という状況ですから、権限とかそんな事を考えているような場合ではないでしょう。現場の判断で発射しちゃって良いと思います。それでも誰も権限を逸脱せず、頑なに大砲に弾を込めるばかりで発射しません。出来ないのです。答えは簡単です。目の前に総司令様がいて、

 

 

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決裁が下りないのです。

 

これがシルバー人材の恐怖です。

こいつは自分の命までかかってんのに下ろせないわけです、決裁を。何しろ40年間も派遣会社の言いなりになるだけで何もせず裏金を貪ってきた男。実地での大砲の向きや発射タイミングなんて把握しているわけがありません。仕方がないので大砲の発射業務は全てプレイヤーが独断で行うことになります。

でも、いくらお飾りの総司令のシルバー人材とはいえ、現場の人間の優秀さを少しは把握しているはずです。何故大砲の弾を込め業務を行っている人間に発射を許可しないのでしょう。ここに来て老人のウルトラCが炸裂します。失敗したら怖いのです。自分が死ぬことよりも自分のせいでみんなが死ぬことの方が怖いのです。それくらいならいっそ皆で一緒に死んじゃったほうが精神的に楽なのです。もし自分の責任で沢山の人が死ぬことになったらこんだけ永く生きてきたというのにせっかくの面目も丸潰れです。

そんな老人のプライドと臆病さが入り混じった蛆が湧いたような感情を無視してプレイヤーは込められた大砲を独断で撃ち続けます。それを見ながら総司令はこう思ってるわけです。

 

 

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「あぁ~~~なんで勝手に撃っちゃうかな~~~俺撃って良いとか一言も言ってないのにな~~~マジでめんどくせえなあの新人な~~~だけどまあ良いか~~~これで失敗したらあいつが勝手に大砲を撃ったからですってことになるしな~~~俺のせえじゃねえしな~~~本当は俺ならもっと良いタイミングで指令が出せるのにあいつが勝手にやっちゃうんだから仕方ないもんな~~~それにこれで成功したらドサクサ紛れに俺の手柄にしちゃえばいいもんな~~~失敗しても元からだしな~~~」

こうです。これがシルバー人材の恐ろしさです。

 

 

ここまで長々と語ってきましたが、シルバー人材の恐ろしさ、派遣業者船舶業者武器商人貿易商諸々の闇、癒着、社会の裏、この世に隠された真実、それを凝縮したゲームがモンスターハンターワールドであるという事をお分かりいただけたでしょうか。

臨場感溢れる美麗なグラフィックと豊かなサウンドで老人の恐ろしさを身を以て味わえる素敵なゲームとなっております。モンハンライズが発売されましたが、こちらも是非お試しください。