なんで今Anotherだったの?
今朝、「あーもうどれを楽しめば良いんだどれを!!選べない!!選べない!!アアアアアアア!!」といつものように発狂してたんですが、
少し読んだっきりになってしまっているGTDの本の言葉をふと思い出しまして。
「やるべきことをきちんと整理すれば自然と直感が冴えてきて、今何をすれば良いか確信を持てるようになるよ」と(ウルトラざっくり)。
で、冷静に考えてみると、やりたいことのリスト自体は既に着々と構築していて、あーなんだリストの卵みたいなのは出来てるじゃんと思うと急に気が楽になり、
頭を空っぽにして心から力を抜いて、
最初に頭に浮かんだのがAnotherだったので何も考えずAnotherを見ました。
我ながらなんでAnotherなんだよ。私も分からないから私に聞かないで。
(※今GTDの本を読み直したら、こういう風に「ぼんやり」程度で選ぶのはあまり良い状態ではないらしい。把握も見極めも整理も更新も実行していないので当たり前である)
Another、それは死のハリウッド
12話まで一気に見た。
「あのね、ここは劇場よ?ハリウッドじゃないの」
というセリフを思い出した(バードマンより)。
例えばタオルケットをもう一度2が死の劇場なら、
Anotherはさながら、死のハリウッド。
Anotherが死体を何億個積み上げても、タオルケットをもう一度2のように、人一人の人生に決定的な影響を及ぼしてしまうことは絶対に無い。
非業の死の美しさも何もあったもんじゃないし、特定のシーンに魅入られて何度も何度も見直してしまうようなことなんて絶対にない。
とにかくハチャメチャに人が死ぬだけ。それがAnother。
だけど、死ぬほど面白い。それがAnother。
ドタバタ虐殺劇として完全勝利過ぎる完成度を誇ってる。あの皆殺しソムリエールのルーミア厨さんが満面の笑み。
これ、絶対に面白い。
間違いなく。
だから最後まで一気に見ちゃったし、凄く楽しかった。
Another、それは虐殺の非文
以下ややネタバレ気味に。
ジャンル自体はいわゆる一つの皆殺し系なんですが、皆殺しの方向性が他の作品と一線を画しすぎてるのがヤバい。
「死亡シーンが完全に視聴者の意表を突くタイミングで始まり」、
「死に方が一々物凄く」、
「しかもそれぞれの死にストーリー上の意味がマジで何も無いことで」、
「暴力的なシュールさを叩きつけられてつい吹き出してしまう」
という。
絶対に人が死ぬ流れじゃないし、人が死んでもストーリー上何の意味も無いのに、本当物凄い死に方で死ぬので変な笑い声が出る。
虐殺劇なのにギャグ。シリアスなのにギャグ。登場人物は全員真剣なのに真剣過ぎてそれがギャグ。
意図的に作るのが一番難しい類の作品。
これ、他の皆殺し作品を相当リスペクトしてないと出来ないよなぁー、すげぇー、って思う。
上手く説明出来ないけど、「シュール」とか、バクマンの「シリアスな笑い」が凄く近い。
このシュールさが意図されたものなのかどうか、正直途中まで判断出来なかったのだけど、ラストまで見て明らかにわざとやってると確信した。そしてわざとやっててこのシュールさを維持できるのは本当凄い。
ただ、どこまでも「お約束を逸脱した死に方」に面白さの大部分が依存してるので、皆殺し系独特のリズムが分かってないとあまり面白くないかもしれない。メタネタ的というか。
虐殺のリズムが分かっていると本当面白い。最初から最後まで虐殺の文法からの逸脱だけで出来てる(※虐殺器官はそういう話ではない)。
他に好きだったところ
「そろそろ20分くらい人が死んでないから殺した」以上のメッセージを感じない潔い殺しでありながら、いちいち殺し方に美学を感じる。これだけ死者がいるのに死に方にほぼ重複が無くて且つ全部凄惨なのは本当凄いと思う。
最後の展開はどことなく囚人へのペム・エル・フルを思い出す(ゾンビは出ないけど)。あとMONSTER。「26年前の事件ってなんだったんだよ!!」だけで延々ひっぱられてかつ死ぬほど面白いのは浦澤直樹みが高い。正直ラスト展開の説得力だけならMONSTER以上にある。
昔コープスパーティーのエンディングを漁って貪るように見ていたのを思い出した。私昔から回りくどい虐殺劇が大好きなのな。
この辺が好きな向きには本当オススメの一品です。