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ゲームの記録とか、稀に読んだものとか用です。

20190811 この世に顕現した地獄系クリッカー Simple Mult Idle

※2021年06月01日現在、環境によってはゲームがプレイ不可能になるようです。私もプレイ出来ません。泣いてます。ゲームページを見るとプレイ出来ない人が私の他にもかなりいるようなのですが、プレイ出来ている人もいるみたいです。開発者の方に状況を送ってみたところお忙しい中お返事をいただき、「原因とかがマジで分からん、自分はいろんなブラウザで開いてみたが全部動いた」(意訳)とのことでした。私は複数のブラウザで開いてみたのですが無理でした。マジで謎です。

 

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こんにちは私です。画像は……画像は……とても抽象化された地獄です。

これは……クリッカーの中ではDerivative Clickerのフォロワーにあたりますね……。

あれの後続はこの世に現れないだろうと思っていたんですが……。ほぼクローンに近いとはいえ素直にドン引き感慨深いです……。

 

ハクスラ以前を抜きにした純粋なClickerの系譜としては、元祖Cookie Clicker、Clicker Heroes、Adventure Capitalist、Tap Titansだけで現代あるクリッカーに使われている要素が出揃ってしまい、それ以降新しい革命的発明は特に起きていないと言ってしまって差し支えないと思います。敢えて追加するならCrusaders of the Lost Idolsくらいでしょうか。

一応NGU Idleとかもありますが……あの系列は個人的に面白いとは思わないので。あと最近Merge Dragons系列が少し流行りでしょうか。ゲーム性からして致命的に面白くないのですぐに廃れると思いますが……。

 

さておき、メインストリームの傍流に、3つだけ独自路線を作ったゲームがありました。Trimps、Transport Defender、そしてDerivative Clickerです。微分係数クリッカー。名前からして地獄じみてます。この3つの内、Derivative Clickerだけは更新が止まってしまいました。ゲーム性について触れるなら、前2つが独自のゲーム性を行くのに対し、Derivative Clickerは完全な抽象芸術みたいなところありますね。興味のある向きはググってやってみると良いでしょう。英語必須なのが難点。

まぁ、だからこそアレはアレで完成しててもう後続は出ないだろうと思ってたんですが……

以下雑記。

 

https://www.kongregate.com/games/denisolenison/simple-mult-idle

 

Simple Mult Idle

※この日記は高校数学レベルの大ガバを含む可能性があります

 

 

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Derivative Clickerと基本的な仕組みは一緒なので、それと同じように仕組みを書いていきます……。

画面がゴチャゴチャしてるので、初期施設から行きましょう……。

 

 

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所持金第一微分係数施設。何故こんな呼び方をするのかは後で分かります。

 

便宜上、以下、微分係数の値に対して「個」という単位を使います。自分でもものすっごい違和感あるのですが、まぁゲームなので。

 

画面によれば私は第一微分係数施設18.8 s個(18.8 septillion個)所持しており、0.14 sec毎に18.8s goldが私の所持金に追加されます。但し、手動購入した回数によってブーストがかるため、x256とある通り実際の入手金額は256倍です。

今の所持金は45.5UD (UnDecillion)のようです。*1

しかし、デカデカと画面に201と表示されている通り、私は第一微分係数施設を18.8 septrillion回も買っておりません。手動購入回数は201回です。そもそも18.8 septrillion回もクリックしてたら人生が終わります。人間の人生は80歳まで生きるとして約25億秒しかありません。

ではこの18.8 s個の第一微分係数はどこから来たのか?言うまでもなく第二微分係数施設からです。

 

 

先程私はこんな画面を貼りました。

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これの右側にちょっと目をやってみましょう。

 

 

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右上のゴチャゴチャした数字は今はちょっと無視しておいてください。

私は今、1.08Q個(1.08 quintllion個)の第二次微分係数施設を所持しているため、これと同じ数だけの第一微分係数施設0.37 sec毎に入手します。手動購入回数ボーナスにより、実際に手に入る値は64倍です。

 

でも私は168回しか第二次微分係数施設買っていません。一体私はどうやって1.08 quintllion個もの第二次微分係数を手に入れたのでしょうか?

 

……はい、もう言うまでもないですね。第三次微分係数施設からです。

 

 

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そして私は138回しか第三次微分係数施設を購入していないのに305 Trillion個の第三次微分係数施設を持っている事になっています……。

なんで持ってるかって……そりゃあ……

 

 

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373 Billion個の第四次微分係数施設を持っているからでして……

 

……もう私がこの数の第四次微分係数施設をどこから手に入れたのかは言う必要も無いでしょう……

改めてこのゲームの全体図です……

 

 

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今の私の第九次微分係数が20です……。このため12.17秒毎に第八次微分係数が増え、8.59秒毎に第七次微分係数が増え、5.97秒毎に第六次微分係数が増え……以下略。

 

まさしく本家Derivative Clicker……。本家もこれと似たような感じで進行します。本家はもうちょっと複雑だったり、Perkの要素があったりしますが割愛。

この手のゲームはあまりにも制御が難しすぎる(普通のクリッカー以上に簡単に所持金の増える速度が購入金額の増える速度を上回ってしまう)ので、アレのフォロワーだけは流石に出ないだろうと思っていました。実際本家も所持金の増加速度の制御に失敗して破綻しています。いやー、それでも作る人いるもんですね……。

一応、似たようなのを作ろうとしたものではSwarm Simulatorとかもありますが、アレも上手く行ってないです。やっぱり制御に失敗してて所持金の上昇速度の方が勝っちゃう。

だからクローンですらDerivative Clickerの後続はもう出ないだろうと思ってたんです……。

 

そして……

 

ましてや本家に更にアレンジを加えるなんて……

 

本当の地獄はここからだ……。

 

 

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n次微分係数を手動で購入する度に、n次微分係数がn-1次微分係数を生産するのに必要な時間が1%下がります(multiplicative)。1個買う度に生産速度が100/99倍になるのでほぼ1%早くなります。n次以下の生産速度が1.01^mで増えていきます。地獄か?

 

まだあるんです。

 

第九次微分係数とかまで来てしまうと、生産に時間がかかりすぎるため、プレイ内時間における実質的な意味で、所持金の額が t の10次関数になるまで相当かかります。これは本家Derivative Clickerでも問題でした。

これを解決するのがさっきからずっと無視していた右上の謎の掛け算です。

 

 

これ。

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各n次微分係数施設は、n-1次微分係数を生産する度に、右上の式の自分と同じ色の項に0.1を追加します。そして、右上の式の値が所持金を生産する際に倍率として乗ります。

このため、第九次微分係数を買った瞬間に、生産される所持金は12.17 sec毎に1.10倍になります(additive)。第九次微分係数が十分な数の第八次微分係数を生産し、第八次微分係数が十分な数の第七次微分係数を……なんてのをチンタラ待つ必要なんてなく第九次微分係数を入手した瞬間に次数が一個上がるんです……。

 

……だから、現在第九次微分係数まで持っているものとして、所持金をtの関数として書くと本当はどうなるかというと、tの10次関数に更に別のtの9次関数をかけたものになるので、tの19次関数になります……。そしてここに、生産速度を考慮すると、1.01^mが乗ります。これもうわかんねえな

 

いやーこんな物凄いものをよう制御しとりますね……。しかもClickerよろしくPrestigeまであるので、右上の式の各項の1回の生産に対する増分、更に増えるんです……。

あとなんかExponentとかいう見たくないものが見えるのですがもう触れるのをやめておきます……。

 

ゲーム自体はシンプルだけど作る苦労が凄いなぁ……。これでゲームバランス崩壊してないのが凄い……。

 

抽象芸術系クリッカー Simple Mult Idle、興味があればやってみるといいかもしれません。本家Derivative Clickerへのリンクも貼っておきますね。

 

Play Simple Mult Idle, a free online game on Kongregate

Derivative Clicker

*1:大きな数の英語の表記について補足しておくと、Million, Billion, Trillion, Quadrillion, Quintillion, Sextllion, Septillion, Octillion, Nonillion, Decillion, Undecillion, Duodecillion, Tredecillion, Quartuordedcillion, ... と続いていきます